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NPT再検討会議で若い世代を代表して発言

NY時間8月5日午後、NPT再検討会議で若い世代からの共同声明を読み上げました。NPT会議は各国がステートメントを読み上げる「一般討論演」が終わると、市民社会からの発言の時間「NGOセッション」(3時間)が行われます。今年は20団体(22人)が発言しました。各団体の発言ステートメントはこちら

私たちは、約2週間かけて、世界の若い世代のネットワーク(16団体、20人以上)で、若い世代からの声を取りまとめ、「ユース共同ステートメント(声明)」として提出しました。そしてこのステートメントを、私とマーシャル諸島出身のベネティックさんと一緒に発表しました。




作成の経緯 「ユース共同ステートメント」の作成を始めたのは約2週間前でした。6月の締約国会議で出会った同世代の仲間たちと何かしらのメッセージをNPT再検討会議にも届けたいと話し合い、作成を決めました。ニューヨークを拠点に活動するNGO「核時代平和財団(Nuclear Age Peace Foundation)」のディレクター・クリスチャンさんが取りまとめ、Google Docs上で作業をしていきました。 ドラフトに関わった仲間たち作成団体のロゴ初めに、以下7点の柱を決め、その後、各々が書き込んでいきました。 ①核軍縮と気候危機、SDGsなどとの交差性(Intersectionality: Nuclear Disarmament and Climate Justice, Nuclear Disarmament and SDGS) ②核実験に関する植民地支配や人種主義(Tackling Racism and Dark History of the Legacy of Nuclear Testing) ③ヒバクシャと第6条に関する核保有国の責任(Hibakusha and NWS Obligations under Article VI) ④核兵器に投資されるリソースを再分配する(お金や様々なリソースについて / NWS Expenditures and what we can achieve if reallocated) ⑤核兵器禁止条約(TPNW)とNPTの補完性(Complementarity of the TPNW and the NPT) ⑥なぜ若い世代の声が重要なのか(Why youth voices matter) ⑦結論として力強く行動を起こすべき(Conclusion: Should be Action Oriented and Strong!!) なお2013年以降のNPT会議では、同様の若い世代からの提言を行っていました。例年は7~8団体が共同作成するところ、今回は過去最多の16団体(20人以上)でドラフトを行いました。メンバーの国籍(団体の所在地)はメンバーの米国・英国・独・マーシャル・中国・日本などです。まさに世界中の若い世代の核軍縮への声をできる限り集め、凝縮し、提言しました。(これは締約国会議で世界各国から若い世代が集まり、つながりを作れた成果です。)そして、投票の結果、私とベネティックが代表して読み上げることとなりました。(日本からも「ナガサキ・ユース代表団」など数団体が関わっています)





若い世代の声を政策に、そして核軍縮に正義を 読み上げた声明の全文はこちらです!日本語は下記画像か、こちらから全文が読めます。英語はこちらから(当日は英語で読み上げました)。 この声明で私が伝えたかったことは3点です。 ①私たちは、自分たちが構築したわけでも、同意したわけでもない核体制に生まれた世代である 「私たちの祖父母の多くは、核兵器が存在しない世界に生まれました。しかし私たちの多くが生まれた2000年には、世界中に3万発以上の核兵器があったと推定されています」「核保有国とその同盟国は、核兵器保有数を増やしたり、軍縮を停滞させたり、わずかな量しか削減をしてきませんでした」 ②核の被害と交差性(インターセクショナリティー)を認識する 「マーシャル諸島他、核実験により影響を受けたコミュニティは、核兵器が存在する限り、環境に優しく、より健康的で、より公平な世界などありえないことをすでに知っています」「核兵器が人種差別や性差別などの抑圧・不正・暴力と相互に結びついていることを認識しなければなりません」 ③私たちは政府の政策や決定によって一貫して無視されてきた世代である 「私たちは、核軍縮・不拡散の意思決定のテーブルにつくことを要求し続けます」

読み上げた思い / 核軍縮に「正義」を 私は8月6日に広島にゆかりのある人間として、こうしてメッセージを発すことができたのですから、これほど嬉しいことはありません。開始前、珍しく緊張しましたが、お世話になっている(なった)被爆者の人々の顔を思い出し、スピーチにのぞみました。 みなさん、「気候正義」という言葉をご存知ですか? 今日、主として先進国(や新興国)が化石燃料を大量消費し気候変動が起きていますが、その被害を受けるのは、化石燃料をこれまであまり使ってこなかった途上国の人たちやこの問題に責任がない将来世代です。こうした不公平さを背景に、「気候変動問題は加害者と被害者が存在する、国際的な(人権)問題であって、この不正義を正して温暖化を止めなければならない」という認識が気候正義です。核兵器の廃絶も同様だと思っています。 また、私たちは「私たちやその子どもたちの安全を守るために核兵器を廃絶してください」と訴えました。これまでは「国家の安全保障のために核兵器が必要だ、国家を守るために核兵器が必要だ」という言説が多くの場所において使われてきました。しかしそうではないのです。核兵器は私たちを守ってはくれない、逆に危険性を高めるのです。思考のパラダイムシフトが必要で、それを起こそうしているのです。ステートメントでも、その点を強調しています。 さらに声明には明示的に、広島や長崎(日本)という文言は悩んだ末、いれませんでした。それは「日本からの眼差し」を提供する場ではなく、「世界の若い世代からの思いを表現する場」だからです。 広島や長崎の経験を伝えることは言うまでもなく重要です。それらを行った上で、一方で、必ずしも日本人が広島・長崎を語ることを好意的に受け止める人々ばかりではない、という視点も、世界で核兵器廃絶を議論する場合は必要だと感じています(人種で一概に一括りにはできませんが…)。つまり大切なことは、日本人ではない人が広島や長崎のことに言及をすることです。その方が、対立する、あるいは不仲な国々・人々を含め、世界各国に客観的に普遍的に共有し合うことができます(渡航した別の関係者も「本当に世界に伝えようと思ったら、一歩引くことが重要だ」と話していました)。そういう意味で、無理な言及を避け、各国の若い世代と誠実に意思疎通を図りました。逆に、PEACインスティテュートや、核時代平和財団が、ステートメントの中で、広島・長崎に言及しながら、核兵器廃絶の必要性を訴えていました。すばらしいことです。 読み上げている様子はこちらからご覧いただけます。(01:47:29~です) (9th plenary meeting) Tenth Review Conference of the Parties to the Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons (1 - 26 August 2022)

一般討論演説が予定よりも早く終了し、午前中は会議がありませんでした。そのため会場に出席していた国が例年より少なかったのが残念でした(終了後に、NGOに対するコメントも出なった)。終了後、一緒に作成したメンバーからは「よかった」とのコメントをたくさんもらい、嬉しく思います。


ベネティックと信頼関係を築いて 最後に、一緒に読み上げたベネティック・カブア・マディソンさんはマーシャル諸島出身で、アメリカに暮らす27歳です。「マーシャル教育イニシアティブ」という団体のディレクターで、マーシャル諸島の実態を世界中に普及しようと努めています。最初に出会ったはウィーンでした。そして1か月ぶりに再会し、対話し、ステートメントを作り上げ、励まし合いながら読みました。彼は当日、ココナッツと貝殻でできた「マルマロ」というマーシャル伝統の首飾りをつけてスピーチにのぞみました。マーシャルの人々の思いを背負ってのことです。彼とは信頼関係が生まれ、いつかマーシャルを訪れようと決めました。



サポートいただいたみなさま、ありがとうございました。一緒に作り上げた仲間たちに感謝です。

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